2021年03月18日
学校における携帯電話のルール
やや適性検査よりの問題を扱います。
出題意図としては、現代の通信機器に関する問題を認識できているかどうか、というところでしょうか、少し社会の問題としては異色に感じます。
解答例は思いつきやすく、書きやすいもので書きましたが、学校の狙いとしては、青少年に及ぼす正負それぞれの影響を把握しているのかを問いたかったのかもしれません。
問題
福沢君の中学校では、年に1回、自分たちの学校生活をより快適にするための提案を、生徒から学校に対して出すことができます。学校(先生)側は、その提案が持つ問題点を生徒が十分に理解していて、それについての有効な対策案が示せていると判断できれば、原則としてその提案を受け入れることにしています。
さて、今年度は、「携帯電話・スマートフォンの学校への持ち込みを許可してほしい」という提案でまとまりました。そこで、あなたがこの学校の生徒であるとして、この提案にはどのような問題点があるかを1つ挙げ、それに対する有効な対策案を考え、述べなさい。
※ 約150字前後
解説
携帯電話、スマートフォンと、学校生活の調和について考えます。
学校生活において一番大切なことは、勉強に集中すること、そして集中できる環境があることです。一方で、携帯電話、スマートフォンの利点は、いつでも、どこでもほかの人と連絡を取ることができることや、ネットにアクセスできることにあります。
学校としては、授業時間は勉強に集中してもらいたいのに、授業時間でも別のことができる携帯電話・スマートフォンはその障害になりかねません。一方で、学校の授業のあと、部活や習い事で帰りが遅くなりがちな中学生にとって、保護者との連絡が取りやすいことにメリットがあります。
ですので、両方が立つ方策を考えます。
校内で携帯電話・スマートフォンを使うことは必要のなさそうなことですから、校内では電源を切る、施錠できるロッカーに収納する、などの方法が考えられます。そうすると、携帯電話やスマートフォンを持つことによるメリットも維持されます。
解答例
授業中に携帯電話やスマートフォンを使用する人が出てくることで、良好な学習環境を損なう可能性がある。そこで、携帯電話やスマートフォンについては、登校時に電源を切ったうえ、鍵のかかるロッカーに片づけることを約束事としたうえで、持ち込みを許可するという方法をとることが考えられる。(137字)
補足
携帯電話やスマートフォンが学校に持ち込まれることによる問題点は、他にも、紛失、盗難や人間関係の問題なども考えられますが、ともに対策案を検討するのが困難です。前者については、個人の注意によるところが大きく、後者については対策案が生徒個人のプライベートや考え方に大きく踏み込むようなことになってしまう可能性があります。
ですので、気がついた問題、というよりは、書きやすいテーマで書くことを心がけましょう。
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